今年は約10年越しの願いが叶い、ずっと習いたいと思っていた時代衣装の仕立てを習うことができました。春から習い始め、続けられるだけずっと学び続けるつもりです。まずは鎌倉時代の衣装「 直垂 (ひたたれ)」が仕上がったので紹介したいと思います。

10年越しの願い
着物の仕立てをしていても、その道に入らなければなかなか知ることができないのが時代衣装です。約10年前、衣装縫いと言う物を知り、いつかチャンスがあれば必ず学びたいと思っていました。大河ドラマや時代劇、舞台などで絶対に欠かせない物ですが、衣装関係の仕事に就かなければ知ることができません。また神職などお仕事で着用している衣装はさらに難しいと思っています。今回は良い機会に巡り合い、一つずつ時代衣装の仕立て方を学んでいます。
時代衣装の面白いところ
時代衣装では、小袖の上に着る物の仕立てを学んでいます。
今回の直垂もそうですが、襦袢・小袖を着た上に直垂を着ます。小袖は現代の着物によく似た作りになっていますが、その上に着る物というのは神職・テレビ・舞台などでしか触れることができません。そんな限られた場所でしか触れることのできない文化を、実際に仕立て・着用できるところがとても面白いです。
衣装は、上衣・下衣どちらも学んでいますが、袖が半分だけくっついていたり、袖自体が無かったり、丈がものすごく長かったり、衿が垂れている物もあれば立っている物もあり、紐が付随していたり、脇が縫われていなかったり、着る人の位によって縫い方が変わったり。毎回、今では無い考え方や文化に触れ、目から鱗がぼろぼろと落ちる経験をしています。
今回仕上げた「直垂(ひたたれ)」
今回は鎌倉時代の衣装「直垂(ひたたれ)」を仕上げました。
実際にとても広い巾の反物を使い着用可能なサイズで仕立ててあります。




一枚仕立ててみて感じだこと
「直垂」と一言で言っても様々な直垂が存在しているのだと知りました。今回仕立てた直垂は、あくまでも基本。鎧の下に着る直垂や大相撲の行司さんが着ている直垂、蹴鞠の時に着ている衣装も直垂に似ているが別物だったり。上下同じ布で作るのが直垂なのかと思いきや、おしゃれに色違いの物を展示で発見したり。私が知っているのは、極一部の直垂なんだと感じました。こうでなければいけない、ではなく、これもアリなんだ!と発見するたびに楽しい気持ちです。
これから仕立てのレパートリーに「直垂」を追加していきますが、このイメージならこの生地でこの色で、と自分の中の直垂を育てていきたいと思っています。
〈関連生地〉
直垂(ひたたれ)の仕立て承ります。
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