寸法を決める順番は、まず着物寸法を決め、その後、着物寸法を基に長襦袢寸法を割り出す、というのが一般的になっています。ここでは、「着物→長襦袢」が成り立つなら、「長襦袢→着物」も成り立つのではないか、を考えてみます。
一般的な寸法の決め方
「採寸→着物→長襦袢」という順番で寸法を決めていきます。
ここで注目しておきたいところは、「採寸から着物寸法を割り出す」という点です。
「採寸から長襦袢寸法を割り出す」を考える
一般的な寸法の決め方は「採寸→着物」ですが、「採寸→長襦袢」が可能なのかを考えてみたいと思います。下はすべて長襦袢の寸法について考えています。
- 身丈
実際に測ることが可能。または、見本の長襦袢を着用してもらうことでより繊細な寸法を決めることができる。 - 裄
実際に測る、または、見本の長襦袢を着用してもらうことで寸法を決めることができる。 - 前巾
着物と同じ計算式で割り出すことが可能。 - 後巾
着物と同じ計算式で割り出すことが可能。 - 抱巾
着物と同じ計算式に+αのゆとりが必要。見本の長襦袢を着用してもらうことで、衿合わせの好みを目で確認し、必要な抱巾の寸法を見つけることができる。見本の着物を着用してもらうだけでは見えない部分が、長襦袢を着用することで明確になる。 - 褄下丈
実際に測る。または、見本の長襦袢を着用してもらうことで褄下丈の不具合を目で確認できるのは良い点。 - 繰越
見本の長襦袢を着用してもらうことで、衣紋の抜き具合をお客様と仕立て側ですり合わせることができる。見本の長襦袢の繰越寸法が、合う寸法なのかの解説もでき、より良い寸法を見つけることができる。 - 肩明き
見本の長襦袢を着用してもらうことで、首回り窮屈感が無いか確認することができ、より良い寸法を見つけることができる。
簡単に8つの寸法について考えてみましたが、問題なく採寸から長襦袢寸法が決められると言えます。
特に「繰越」「肩明き」「抱巾」は、見本の着物を着用してもらうよりも長襦袢を着用してもらう方が良いと感じています。
長襦袢を着用してもらい寸法を決める
特に衿周りの寸法を決めるときは、長襦袢を着てもらうことでより良い寸法が見るかると感じました。
実際にKOTARO和裁教室でも“繰越寸法を変えてみたい”という相談があった場合、繰越寸法の違う長襦袢を3枚着てもらい、その違いを一緒に確認し、寸法を決めていきます。
衿芯の入った長襦袢だからこそ、いつもの衣紋の抜き方、抜き具合、その時感じる違和感、着心地の良さ悪さ、着崩れの再現、など、目に見えて確認することができ、解決方法のご提案をすることができます。
まとめ
採寸から長襦袢の寸法を割り出すことは可能だ、と言えます。
計算式から割り出すだけでなく、見本の長襦袢を着用してもらうことで衿周りの寸法はさらに精度の良いものになることも確信しました。これまでKOTAROでは見本の着物だけを着用してもらっていましたが、着物に加えて、長襦袢も着用してもらうことが必須だという考えに変わりました。
上半身の寸法を決める時は、長襦袢を着用してもらう
下半身の寸法を決める時は、着物を着用してもらう
というのが良いのではないでしょうか。
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