羽織の袖丈 は着物よりも短く仕立てる。
なぜ着物よりも短く仕立てるのか?
着物の袖丈と同じ寸法で仕立ててはいけないのか?
その疑問について解説したいと思う。
羽織の袖丈 の標準寸法
羽織の袖丈=着物の袖丈−5分
一般的に、着物の袖丈よりも5分程度、短く仕立てる。
例えば、着物の袖丈が1尺3寸なら、羽織の袖丈は1尺2寸5分となる。
なぜ 羽織の袖丈 は着物よりも短いのか
これは羽織を着た時の着姿に注目している。
注目するのは、お袖の振りだ。
まずは分かりやすい着物と長襦袢の袖丈の関係を思い浮かべてほしい。
着物と長襦袢の振りは、それぞれの振りが離れずくっついていることが良い(美しい)とされている。
着物の袖底から長襦袢の袖底が浮いている状態ならば、どちらかの袖丈を直して振りが揃うようにしようと仕立て屋は努力する。
同様に、着物と羽織についても同じことが成り立っている。
着物の振りと羽織の振りが揃っているのが良し(美しい)とされている。
着物の袖丈は、着用すると少し短くなる。
それを見越して羽織の袖丈は短く仕立ている。
お袖の美しさとは
羽織を着るときは、必ず着物と長襦袢がありその上に羽織がある。
3つの袖丈が同じようにたわみ、袖底で揃っていることを美しいとしている。
また、袖巾も同様に、2分ずつ広くなっている。
長襦袢よりも着物の袖巾が2分広く、着物よりも羽織の袖巾が2分広い。この2分の差が綺麗に並んでいると“美しい”。
例えば下の写真。よく見ると羽織の袖から着物の袖が飛び出している。
羽織の袖巾<着物の袖巾 で仕立ててある。
一般的にこのような状態は良し(美しい)としない。
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