胴裏を赤く染め、 小紋着物 を仕立てました。

アンティークなどで良く見る赤い胴裏。現代は白一択の胴裏ですが、一昔前まで赤色に染められた胴裏が売られていたほど身近な物だったようです。赤色って魅力的ですよね。今回は、そんな色付きの胴裏に憧れて、白い胴裏を赤色に染めてもらい 小紋着物 を仕立てました。

小紋着物

仕立て寸法

  • 身丈 4尺2寸5分
  • 裄 1尺8寸
  • 袖巾 9寸5分
  • 肩巾 8寸5分
  • 袖丈 1尺4寸
  • 袖付け 6寸
  • 見八ツ口 4寸
  • 前巾 6寸5分
  • 後巾 7寸5分
  • 抱巾 △5分
  • 衽巾 4寸
  • 合褄巾 3寸7分
  • 褄下丈 2尺1寸
  • 衽下がり (肩)5寸5分
  • 肩明き 2寸3分
  • 剣先の縫い代 成り行き
  • 衿の付込み 5分
  • 繰越 3分

仕立てのポイント

今回は仕立ての寸法よりも、赤色の色付きの胴裏で仕立てたというのが最大のポイントになっています。

赤色の胴裏について

今回の胴裏は市販の白い胴裏を赤に染めた物です。染めてもらうので赤色でなくとも、黒や緑など、何色でも染めることができますが、分かりやすくインパクトも強い赤を選択。白い胴裏しか知らない身としては、胴裏に色が付いただけで表地を選ぶのにとても迷いました。

“この表地に赤色の胴裏は合っているのか分からない。”
“これは合っていると言えるのか分からない”

今回私は、赤色の胴裏を決め、その後、この赤い胴裏に合う表地を探す、という逆転した決め方しましたが、このお陰で選択の幅が広がったと感じています。

着物の表地を選ぶのはもちろん楽しい。
そして、それに組み合わせる八掛の色を選ぶのも楽しい。
そして、さらに胴裏に色をつけるという楽しみが加わる。

選択肢の幅が広がり、世界が広がりました。
とてもワクワクした経験となりました。

仕立て寸法は冒険せず

仕立て寸法は特別な冒険はせず、標準寸法に近い寸法で仕立てました。
仕立て工程を動画に撮っているので、M KIMONOオンライン和裁教室で公開したいと思っています。

仕立て工程

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この記事を書いた人

KOTARO

現役和裁技能士が「仕立てと着姿」をテーマに、どんな寸法で、どんな仕立てをすると、どんな着姿になるのか、自分自身の身体で検証しています。