男物の最大の特徴は、身丈が着丈であること。つまり、おはしょりが無いことです。おはしょりが無いので着付けで着丈の調整ができず、身巾の調整もできません。今回は、脇線に注目し男着物の身巾について考えてみました。

今回注目したい脇線について
脇線とは、前身頃と後身頃を縫い合わせている部分を脇線と言います。写真の黄色の線部分です。今回はこの脇線が身体のどこにあるのかに注目していきます。


上半身と下半身で脇線は一直線になる
まず確認しておきたいことは、男物の場合は上半身と下半身で脇線がズレることはありません。必ず一直線に繋がった状態で着用します。下の写真は、身体にあった寸法の着物を着用した時の例です。背中心が上半身から下半身に向かって真っ直ぐです。脇線も上半身と下半身で大きな歪みがなく身体の横で真っ直ぐに地面へ向かって落ちています。この状態が良いと言えます。


脇線がゆがむ例①
身体に合ったサイズの着物だけど、上前身頃の裾合わせを浅く着付けた場合の写真です。例えば、左身頃の脇線を身体の真横にしたいと思った時、このような着付けになるかもしれません。
背中心が右に向かって斜めになり、上前の脇線は良い位置ですが、下写真のように下前の脇線は太ももの前まできています。この時、右袖が内側に引っ張られ、着心地の悪さを感じると思います。


脇線がゆがむ例②
身体に合ったサイズの着物だけど、上前身頃の裾合わせを深く着付けた場合の写真です。例えば、衿合わせをグッと深く合わせたいと思った時にこのような着付けになるかもしれません。
背中心が左に向かって斜めになり、上前の脇線は太ももの前まできています。この場合、左袖が引っ張られ、着心地の悪さを感じると思います。

脇線がゆがむ例③
身体に対して、とても大きなサイズの着物を着た時の例です。背中心が真っ直ぐに落ちているのは良いですが、上前、下前ともに巻き込むような着用になり、左右の脇線が身体の前面にきています。着物のねじれは感じないかもしれませんが、袖が左右ともに前面に引っ張られ着心地の悪さを感じると思います。

脇線がゆがむ例④
身体に対して、とても大きなサイズの着物を着た時の例です。身体に対して大きなサイズの着物なので、上前だけでも良い位置で着たいと思った時このような着付けになるかもしれません。
背中心が右に向かって斜めになり、上前の脇線は良い位置ですが、下前の脇線は太ももの前まできています。この場合、右袖が引っ張られ、着心地の悪さを感じると思います。


まとめ
写真からも分かるように、男物は着付けでなんとかできる物ではありません。大切なのは、背中心が必ず背中の中心で真っすぐになるよう着用すること。そして、左右の脇線の位置が良い位置にあることです。腰紐の上側(上半身)と下側(下半身)で脇線がねじれることは着心地の悪さに直結します。左右どちらの脇線も必ず身体の真横にあるような前巾と後巾の寸法のバランスが理想だと思っています。
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