長襦袢の袖付 寸法は、必ず着物の袖付寸法よりも短く仕立てます。標準寸法は、着物の袖付寸法−2分程度です。この寸法は着物よりも短ければどんな寸法でも問題ないのでしょうか?
今回は、標準寸法よりもさらに短い、①着物の袖付寸法−1寸の場合、②着物の袖付寸法−2分の場合、について考えてみました。
今回、確認すること
今回は袖付寸法を変えることで、次の3つのことが起きるのか確認した。
- 振りから長襦袢が飛び出すことはあるのか
- 袖口から長襦袢が飛び出すことはあるのか
- 袖底で長襦袢が浮く・たるむことはあるのか
長襦袢の袖付 標準寸法
長襦袢の袖付の標準寸法は、「着物の袖付−2分〜3分」
例えば、着物の袖付が6寸の場合、長襦袢の袖付は5寸8分、または5寸7分で仕立てる。
標準寸法で仕立てた長襦袢
下の写真は、袖付6寸の着物に、袖付5寸7分の長襦袢を着せている。
着物の振りから長襦袢の袖が飛び出すことなく、綺麗にそろっていると言える。
長襦袢の袖付寸法が標準より短い場合
着物の袖付6寸に対して、長襦袢の袖付5寸と4寸の場合を観察する。
長襦袢の袖付 5寸の場合
下の写真は、着物の袖付6寸・長襦袢の袖付5寸の着用写真である。
私は通常この組み合わせと同じように着物の袖付よりも長襦袢の袖付を1寸短く仕立て、着用している。
標準寸法よりも短いが、袖底で長襦袢の振りが浮くこともなく、振りや袖口で長襦袢が飛び出すこともなく、良いと言える。
長襦袢の袖付 4寸の場合
下の写真は、着物の袖付6寸・長襦袢の袖付4寸の着用写真である。
着物よりも2寸も短くしてある。長襦袢の袖付は着物よりも短ければ良いのか、という疑問が浮かぶが、短すぎる袖付は良くないことがここで分かる。袖底の拡大写真を見ると、振りから長襦袢が飛び出してはいないが、袖底で長襦袢が浮き、添いが悪い。袖付の寸法を短くしすぎた結果、遊びが多くなりすぎていることが分かる。
袖口から長襦袢が飛び出すことはなく、着用には特に問題はないが、添いの美しさを求めるなら、この寸法は良くないと判断する。
着物と長襦袢の袖付寸法が同寸の場合
下の写真は、着物の袖付6寸・長襦袢の袖付6寸の着用写真である。
まとめ
長襦袢の袖付寸法は、「着物の袖付−2分」〜「着物の袖付寸−1寸」の間で寸法を決めることが良いと分かった。
あくまでも、着物から長襦袢の袖が飛びださないことや、着物の袖底で長襦袢の袖が添いよく収まることなど、理想の美しさを求めるならこの範囲で寸法を決めると良いという結果である。
寸法は問題がなくても、着方で長襦袢が着物から飛び出す場合がある。この場合については、ブログ記事「長襦袢の袖 と着物の袖が沿わない原因は仕立てにあるのか?!」にあるように、着用時の袖付の位置を意識してほしいと思う。
しかし、いつもいつも理想の美しさを求めるのは疲れてしまう。袖底が多少浮いていようが、振りで多少長襦袢が飛び出していようが、気にしすぎず着用してほしいと思う。
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