着物の着崩れや着心地の違和感について考える時、仕立てに問題があるのか、着方に問題があるのか、体型の問題なのか、どこに原因があるのかを考えることがあるかもしれません。今回は、 長襦袢の袖 と着物の袖が沿わない原因は仕立てにあるのか、を解説したいと思います。
長襦袢の袖 と着物の袖が沿わない とは
ここでは、着用時の袖底で長襦袢の袖と着物の袖が沿わないことを指す。
下の写真「沿わない例」では袖底で紫色の長襦袢が着物の袖から浮いているのが分かる。
長襦袢の袖 が沿わないとこは悪いことなのか
長襦袢の袖が沿わないことは、決して悪いことではないと思っている。
着姿の理想は、着物の袖と長襦袢の袖が、袖底で沿っているのが理想。
長襦袢の袖 が沿わない原因は2つ
沿わない原因は2つ。
・仕立てに問題がある
・着方に原因がある
仕立てに問題があるとき
長襦袢の袖が沿わないことを考える時、「袖丈」の寸法を確認する。
長襦袢の袖丈は、着物の袖丈よりも2分短く仕立てる。
着用したい着物の袖丈と、それに合わせて着たい長襦袢の袖丈を比べ、長襦袢の方が2分程度短ければ理想的な寸法であると言える。(上写真の着物と長襦袢は2分差で仕立ててある。)
着方に原因があるとき
①長襦袢の袖付の下にゆとりができているかを確認する。
長襦袢を綺麗に着ようと頑張っていないだろうか。シワが無いよう下へ下へ引いてはいないだろうか。
長襦袢の袖付が程よく身体から離れていることで、袖底で長襦袢と着物が美しく沿う。
②着物の袖付と長襦袢の袖付がだいたい同じ位置にあるか確認する。
着物の袖付と長襦袢の袖付は仕立て寸法が長襦袢の方が2分短い。そのことを考慮しつつ、着用時、長襦袢の袖付と着物の袖付がどこにあるのかを確認する。かけ離れた位置にあると、袖底で長襦袢の袖は着物の袖から浮き、振りから飛び出す。
まとめ
袖底で長襦袢の袖が着物と沿わない原因は、仕立てと着方の2つを確認する必要がある。仕立て寸法が着物と長襦袢で大きく違っていないか確認し、その後、着方が良いのか見直す。袖底が沿わないとこは決して悪いことではないが、気になった時はこの方法で確認して欲しいと思う。
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