袷仕立ての色留袖を、単に仕立て直しました。

今回は6月あった結婚式参列に合わせて、袷で仕立ててある色留袖を、単に仕立て直しました。
私が結婚した時に母に用意してもらった色留袖です。もう10年以上前に自分で仕立てたのを覚えています。今回は寸法はそのまま、使える縫い目もそのままで、単に仕立て直しました。

仕立て直し前の色留袖

袷で仕立ててあります。一つ紋なので比翼は付けずに仕立ててあります。
八掛は上前衽に柄のある共八掛がついています。

仕立て直し後の色留袖

単に直した色留袖です。前からの写真がありませんが、衿のみ比翼を付けました。
八掛と胴裏は、綺麗に整理して、また袷に仕立て直すときのために保管しています。

色留袖

仕立て直しの工程

袷を単に直すことについて

今回私が仕立て直した色留袖に限らず、どんな着物でも、袷を単に直すことは出来ます。
“単着物が無いから新しく反物を買って単着物を作ろう”というのも良いが、“この袷着物を単に直して着よう”というのも一つの手です。リユースの袷着物を購入して、単着物に仕立て直して着用するのも一つの手です。
常に新しい物を購入しなくても、手持ちの着物を仕立て直して着ることができる、というのは着物の良さのひとつだと思っています。そして、全国にいる着物の仕立て屋がこのお直しに対応できるという点が、和裁に歴史があるからではないでしょうか。

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この記事を書いた人

KOTARO

現役和裁技能士が「仕立てと着姿」をテーマに、どんな寸法で、どんな仕立てをすると、どんな着姿になるのか、自分自身の身体で検証しています。