羽織のシルエットを美しく仕上げるためには、羽織の裾まわりの仕上がりがとても重要になる。
そして、その中でも 羽織の後巾 は、とても重要な役割を担っている。
なぜ後巾が重要なのか、その理由を理解するために、まずは羽織の後巾の 基本と応用 を簡単に解説する。
美しい羽織のシルエットとは
私が定義している羽織の美しいシルエットの条件は、3つ。
- 衿が地面に向かって真っ直ぐに落ちていること
- 裾周りが身体から離れすぎていないこと
- 裾が地面と並行であること
この3つの条件を満たすためには、後巾・前巾・繰越・前下がり の4つの寸法を
バランスよく決めることがとても重要になっている。
羽織の後巾 : 基本
羽織の後巾は、着物の後巾を基準に割り出している。
基本の後巾は、
羽織の身八つ口の位置で、着物の後巾+3分程度
羽織の裾で、着物の後巾−2分程度。
羽織の後巾 : 応用
羽織の裾での後巾を、「着物の後巾−2分」よりも、さらに狭くする。
羽織の裾での後巾を狭くすることで、
美しいシルエットの条件「2. 裾周りが身体から離れすぎていないこと」を満たすことができる。