結城縮の反物から単の 被布衿コート を仕立てました。

被布衿コート と言うと女性らいし可愛いフェミニンなイメージを持ちますが、このフェミニンなイメージのコートをマニッシュが好みの私が着られるようにするためにはどのうようにすれば良いだろうと考え、マニッシュ好みの私が着られる被布衿コートを仕立てました。

このコートは、今年(2025年)の6月に行っていた「1日15分チャレンジ」で仕立てた単の被布衿コートです。
▼1日15分チャレンジの記事はこちら
1日15分チャレンジ !!毎日コツコツ1工程ずつ進め、23日目にコートが出来上がりました!

被布衿コート

仕立て寸法

  • 身丈 (肩)3尺3寸
  • 裄 1尺8寸7分
  • 袖巾 9寸7分
  • 肩巾 9寸
  • 袖丈 1尺3寸5分
  • 袖付け 6寸3分
  • 見八ツ口 3寸5分
  • 前巾 5寸5分
  • 後巾 7寸
  • 竪衿巾 4寸
  • 竪衿下がり (肩)6寸
  • 肩明き 2寸5分
  • 衿の付込み 2分
  • 繰越 1寸8分

仕立てのポイント

  • 被布衿を最小まで細く短くした点
  • 衿下の開きを大きくした点
  • 裄は着物の裄+1寸を目指したギリギリいっぱいの寸法にした点
  • 繰越を目一杯大きくした点

解説

衿について:
被布衿と言うと“可愛い”イメージを私は持ちますが、昔は男性も着ていた物。可愛さを抑えたコートにしたいと思い、衿巾を狭くし、衿下の開きも大きくしたことで可愛さ抑えることができたと思っています。

裄について:
標準は「コートの裄=着物の裄+2分程度」ですが、今回は着物の裄+1寸を目指し、反物巾目一杯の寸法にしました。衣紋を抜かずに着用したいと思ったためその分裄を長くしました。

繰越について:
コートの肩山は身体の肩山にして着用した方が綺麗なのではないか、と思っているので繰越を大きくしました。

結城縮という素材について

結城紬と同じ真綿系の紬ですが、糸に強い撚りがかけられた生地です。単着物用として折られています。手触りは紬の感触を十分に残しつつサラッとした手触りです。単着物として良いのであれば、単コートとしても良いだろうと思い仕立てました。

仕立て工程

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この記事を書いた人

KOTARO

現役和裁技能士が「仕立てと着姿」をテーマに、どんな寸法で、どんな仕立てをすると、どんな着姿になるのか、自分自身の身体で検証しています。