衿の着心地を良くしたいなら、肩明き・繰越・付込みを見直すこと。

着物と長襦袢の衿の添いを良くしたいなら「肩明き」「繰越」「付込み」の寸法を揃えることです。この3つさえ同じ寸法になっていれば、衿の添いは抜群です。

肩明き・繰越・付込みの場所

下の写真、後ろから見た図の衿付近に「肩明き」「繰越」「付込み」があります。
ダウンロードできる資料で確認できます。

なぜこの3つの寸法を揃えることが大切なのか

「肩明き」「繰越」「付込み」の寸法が決まると、背中心から肩山までの衿の長さが決まります。この衿の長さが、着物と長襦袢で同じであると、着用したときの添いがとても良く、着心地も良くなります。この長さの理想は、着物と長襦袢で全く同じ、もしくは、着物より長襦袢の方が1分短い、が理想です。

寸法だけが同じでも縫う人によって変わる

寸法だけが同じでも縫う人によって微妙に変わるのが背中心から肩山までの衿肩周りです。最も大きな違いは「肩明き」の切り方だと考えていますが、どのような切り方をしているかで衿の長さが変わります。本当に添いを良くしたいと思う時は、同じ人に着物と長襦袢を縫ってもらうことです。

衿の添いが良くない着物と長襦袢の例

下の写真は着物と長襦袢とで「肩明き」「繰越」「付込み」の寸法が合っていないときの着用画像です。着物と長襦袢の衿の添いが良くないことが分かります。衿の添いだけを考えるなら長襦袢ではなく半襦袢で十分です。ぜひこの3つの寸法がぴったりと合わせた長襦袢と着物の衿の添いを体感して欲しと思っています。

長襦袢と着物の衿

衿の添いの良し悪しで印象が変わる

着物と長襦袢の添いが良いと、同じメイク、同じ髪型をしていてもキチンとした印象を与えることができます。その様子がよくわかるのが、最近出演させていただいているYouTubeチャンネル@タケノワ座での「着物で人生をもっとたのしむ仕立ての世界 第4回 見栄えと着心地に大きく関わる衿周りの寸法」の回です。他の回と比較すると印象の違いが分かると思います。

▼配信URLはこちら
「第4回 見栄えと着心地に大きく関わる衿周りの寸法」
URL: https://www.youtube.com/live/huSFR8YubCA

▼YouTube出演の詳細はこちら
着物の寸法が気になっている方にぜひ見ていただきたいKOTARO出演YouTube

着用している着物はこちら

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この記事を書いた人

KOTARO

現役和裁技能士が「仕立てと着姿」をテーマに、どんな寸法で、どんな仕立てをすると、どんな着姿になるのか、自分自身の身体で検証しています。