直垂(ひたたれ)を仕立てました。

時代衣装「直垂(ひたたれ)」を本物の麻と染めで再び仕立てました。今回は歌舞伎などの衣装も手掛けている染め屋さんに生地の準備から染めまでお願いをし、出来上がりは衣装として間違いなく使える一枚になっていると思います。

直垂

今回仕上げた直垂の特徴

素材が麻である点が最大の特徴です。前回は金蘭で仕立てましたが、今回は麻で仕立てました。金蘭は鎌倉時代を想定し、麻は室町時代の武士を想定しました。雰囲気の違いがよく分かると思います。

鎌倉時代にも金蘭のほかに麻の直垂もあったと思います。室町時代にも同様、麻だけでなく金蘭の直垂があったと思います。が、時代考証はまだ考えられるほど詳しくありません。素材の違い・柄の違い・仕立て寸法の違いは、全て着る人の階級により変わるものだと思っています。今回仕立てた麻の直垂は、どんな階級のどんな人がどんな時に着るものなのだろうかと考えることで歴史を学んでいきたいと思っています。

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反物巾の違い

今回は並巾の反物2反から仕立てました。前回仕立てた金蘭の直垂は、並巾の約2倍の巾の反物を使用しましたが、今回は現代の私たちが着用している着物と同じ巾の反物を使用しています。直垂は袖巾が広く、途中で継いであるのが分かると思います。今回は、当時の物に近い形で仕上げたかったため麻も少し手触りの硬い物になっていますが、私たちが着用する現代の反物でも作ることができると思うとワクワクして楽しいですね。

まとめ

時代衣装で感じることはやはり「何を着るのか」を当時の人たちはとても大事にしているところです。「何を着るのか」は、自分を「どう見せるのか」に直結し、そのために素材や仕立て寸法をどうするのかの工夫につながっています。今回は、麻を選んだだけでなく、柄や色もより室町時代っぽいものを選んでみました。紐でKOTAROっぽさを表現しています。

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直垂(ひたたれ)の仕立て承ります。

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この記事を書いた人

KOTARO

現役和裁技能士が「仕立てと着姿」をテーマに、どんな寸法で、どんな仕立てをすると、どんな着姿になるのか、自分自身の身体で検証しています。