日本の伝統色「消炭色」の無地 羽織 を仕立てました。
2021年 年始 奉納という人生で初めての経験をしたことで
こんな時、どんな着物を着て、どんな物が必要なのか、考える機会となりました。
正式には、黒羽が良いのだろう…そんなことを思いながら
当時は一気に全てを揃えることはできず、これから揃えていこうと思ったのがキッカケです。
仕立て寸法
- 着丈:(肩)2尺7寸
- 裄:1尺8寸3分
- 袖巾:9寸5分
- 肩巾:8寸8分
- 袖丈:1尺3寸5分
- 袖付け:6寸3分
- 身八つ口:2寸5分
- 前巾:4寸3分
- 後巾:6寸
- 繰越:3分
- 衿付け:5分
- 肩明き:2寸5分
- 前下がり:1寸
- 乳付け:9寸(着用後1尺に直した)
この 羽織 の特徴
- 繰越が異常に小さい
- 衿巾が狭い
- 後巾が狭い
解説
- 羽織の繰越は、着物の繰越+2分が標準とされている。私の着物の繰越は通常5分。標準であれば、羽織の繰越は7分にするのが妥当なところ、3分で仕立てた。
- 女性用羽織の衿巾は、1寸5分が標準。この羽織は、1寸3分の衿巾で仕上がっている。
- 羽織丈が長くなるほど、後巾を狭くすることは常であり、着物の後巾−2分、もしくは、−3分程度が多い中、この羽織は着物の後巾−1寸8分とした。
この 羽織 に期待すること
一番の大きな期待は、着物の繰越と羽織の繰越に大きな差がある場合、どんな着姿になるのか、どんな不具合が現れるのか、解消方法はあるのか、を見ること・体感すること。
羽織の美しいシルエットは、①裾が地面と並行になっている、②裾に余分な布がない、③衿が地面に向かって真っ直ぐに落ちている、この3つが欠かせないと私は思っている。
この羽織は、この3つを満たしていない。
楽しみにしていることは、『どんな不具合が現れるのか』だ。
補足:乳の位置について
乳(ち)は羽織紐を通すための小さなループである。
個人的には帯の上線あたりに乳が付いていると良いと思う。
仕立て工程
羽織の仕立て工程はInstagramに投稿しています。>>> @wakamatsu_miki
「#消炭色の無地羽織」にまとめています。
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