着物寸法【基本】着物を仕立てる時に必要な20の寸法 ~男着物編~

YouTubeで男着物についての配信が始まりましたので、参考記事として男物に関するブログも一緒に更新していきたいと思っています。まずは基本となる着物を仕立てる時に必要な寸法を、標準寸法と言われている寸法と共に書き出してみました。

〈関連記事〉
着物の寸法が気になっている方にぜひ見ていただきたいKOTARO出演YouTube ~SEASON3~

仕立てに必要な着物寸法

  1. 身丈(みたけ)
  2. 裄(ゆき)
  3. 袖巾(そではば)
  4. 肩巾(かたはば)
  5. 袖丈(そでたけ)
  6. 袖口(そでぐち)
  7. 袖付け(そでつけ)
  8. 人形(にんぎょう)
  9. 袖丸(そでまる)
  10. 前巾(まえはば)
  11. 後巾(うしろはば)
  12. 抱巾(だきはば)
  13. 衽巾(おくみはば)
  14. 合褄巾(あいづまはば)
  15. 褄下(つました)
  16. 繰越(くりこし)
  17. 衽下がり(おくみさがり)
  18. 衿の付込み(えりのつけこみ)
  19. 剣先の縫い込み(けんさきのぬいこみ)
  20. 肩明き(かたあき)
  21. 揚げ位置(あげいち)
資料:着物の寸法を測ってみよう!(男物)

▼資料のダウンロードはこちらから

標準寸法

現在標準と呼ばれている寸法を紹介します。

  1. 身丈:身長−27cm程度
  2. 裄:採寸による。目安は「身長×0.4+1寸」
  3. 袖巾
  4. 肩巾
  5. 袖丈:1尺3寸〜1尺5寸、体型により変える
  6. 袖口:7寸
  7. 袖付け:「袖丈−人形」で計算する
  8. 人形:1寸5分〜2寸5分
  9. 袖丸:4分、または、5分
  10. 前巾:7寸(Mサイズ)、7寸5分(Lサイズ)
  11. 後巾:8寸(Mサイズ)、8寸5分(Lサイズ)
  12. 抱巾:前巾と同寸、もしくは、「前巾-3分」
  13. 衽巾:4寸1分
  14. 合褄巾:3寸8分、もしくは、衽巾と同寸
  15. 褄下:身丈の半分
  16. 繰越:無し
  17. 衽下がり:肩山から5寸〜5寸5分
  18. 衿付込み:5分
  19. 剣先縫い込み
  20. 肩明き:2寸3分
  21. 揚げ位置:帯位置を測る

・寸法は、男物の着物寸法です。
・全て指定が無い場合の寸法です。
・体型により、寸法は変動します。
・長襦袢との兼ね合いは無視します。

男物の特徴

  1. 身丈
  2. 人形
  3. 繰越
  4. 揚げ位置

身丈(みたけ)
男性の場合、身丈=着丈となるので女性よりも厳密に寸法を決めます。同じ身長でも身体の厚みなどにより寸法が変動するので、計算で割り出すと言うのは難しい寸法です。

人形(にんぎょう)
女物の“振り”の部分が縫いとじてあり、「人形」という名前になっています。

繰越(くりこし)
男着物の場合、基本は繰越無しですが、体型の違いにより繰越を付ける場合もあること、男物の羽織になると繰越がつくことなどにより、この項目を無くすことはできず基本の仕立て寸法に含めています。

揚げ位置
男性の場合、揚げの位置を計算で割り出すことはせず、着用した時、帯に隠れる高さに合わせます。実際に測ることができない場合のみ、計算で割り出します。

まとめ

男物は標準寸法自体がとても流動的です。着方で調整ができないぶん、仕立ての良し悪しが着姿に現れます。寸法を決める時は、どんな着物でも良いので、一度着用しその着物を基準に寸法を決めることを強くお勧めしています。

関連記事

\プロの方にたくさんご受講いただてます!/
この講座では、着物を仕立てるために必要な全ての寸法について標準寸法をお伝えし
その寸法を変えると着姿がどう変化するのかを解説しています。
着物寸法の基礎を知り、着姿から理想寸法を一緒に見つけましょう。
次回2026年3月13日、東京にて講座を開催します。

この記事を書いた人

KOTARO

現役和裁技能士が「仕立てと着姿」をテーマに、どんな寸法で、どんな仕立てをすると、どんな着姿になるのか、自分自身の身体で検証しています。