身長・ヒップサイズ・裄の採寸のみで男着物を仕立ててみました。 | 男着物

今回は、「標準寸法の着心地を知る」をテーマに「身長・ヒップ・裄」の採寸をもとに男着物を仕立てました。着心地の良い着物にするために仕立て寸法を変えようと思った時、まずは基準となる標準寸法の着心地を知っておくことが大切です。今回は着物好きな知人に協力いただき、採寸から標準寸法を割り出し、仕立てました。今後、着心地の好みが出てきた時、どの寸法を変更するのかなど、記事にしたいと思っています。

採寸について

身長178cm、ヒップ108cm、裄74cm
身長は自己申告、ヒップと裄は採寸しました。参考寸法としてチェストを測りました。(チェスト102cm)
直接お会いしているのでしっかりした体型であることを確認しています。

仕立て寸法

  • 身丈 (背)4尺5分
  • 裄 1尺9寸5分
  • 袖巾 1尺
  • 肩巾 9寸5分
  • 袖丈 1尺4寸
  • 袖口 7寸
  • 袖付け 1尺1寸5分
  • 人形 2寸5分
  • 袖丸 5分
  • 前巾 7寸5分
  • 後巾 8寸8分
  • 抱巾 △3分
  • 衽巾 4寸3分
  • 合褄巾 通し
  • 褄下 2尺
  • 繰越 無し
  • 衽下がり 肩)5寸5分
  • 衿の付込み 5分
  • 肩明き 2寸4分
  • 揚げ位置 後上揚げ:1尺5寸5分
  • 衿巾 1寸5分棒衿

仕立てのポイント

今回のポイントは標準寸法で仕立てる点です。例えば、着物歴が浅く、初めて着物を誂えるとき、まずはこの寸法で仕立てるだろうと言う寸法です。身長178cm・ヒップ108cmとかなりしっかりした体型です。スーツのサイズで言うと、LL~3L相当。このことを考慮して、身丈と揚げ位置のみ、計算式に+αした寸法にしました。その他は私の持っている寸法表のままの数字になっています。

仕立てるとき必ず確認したい寸法

  • 身丈
    身体の厚みとどんな着方をするのかで寸法が大きく変わるため、身長を確認することと共に実際に必要な身丈を必ず確認したい寸法です。男物は着用で身丈を調整することができないため、ここはきちんと決めたいところです。
  • 前巾・後巾
    こちらも身体の厚みでかなり変わりますので、採寸もするんですが、見本の着物も着用いただき確認したい寸法です。

着姿にこだわるために確認したい寸法

  • 袖付
    袖付が原因で前身頃に横方向の“たるみ”が入る場合があるので着用時に確認したい寸法です。
  • 掛け衿丈
    男物も女物と同じ1尺3寸が標準寸法ですが、身長の高い方の場合、掛け衿丈は少し長めの方が見栄えが良いなと感じる場合があるので、こだわるならここも確認したい寸法です。
  • 抱巾
    どのように着物を着たいかにより抱巾をどう仕立てるのかが変わります。“こう着たい”という理想の着姿ができた時に考えたい寸法です。
  • 褄下
    男着物は帯からある程度衿先が出ていないと収まりが悪いので、帯位置とともに考えたい寸法です。
  • 繰越
    男着物は基本的に繰越無しですが、身体に厚みにより繰越をつける場合があります。逆に、猫背の方などは前身頃側に繰越を付ける場合もあります。前身頃側に繰越を付けることはかなり稀ですが、こだわる時は考えたい寸法です。
  • 揚げ位置
    理想は帯に隠れる位置に揚げを付けたいので、帯位置と共に確認をしたい寸法です。

ボディーに着せた着姿

手持ちの男性用ボディーを身長178cm、ヒップ108cm、チェスト102cmにし、着物を着用させてみました。気になるところもありますが、悪い着姿ではないと思います。

まとめ

身長・ヒップ・裄の3つから仕立て寸法を割り出すと、ベストな寸法を決めることはできないのですが、とてつもなく悪い寸法になることもありません。基準の寸法になるため、一度は標準寸法の着心地を知っておくと良いと思います。ここを基準に着姿や着心地に好みが出てきた時、寸法を変更していくことになります。自分の基準を知ると言う点ではメリットがあり、着心地の良い着物かどうかは別の問題だと言えます。

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