着姿の好みに合わせて仕立て直しました。| 男着物

身長・ヒップ・裄の採寸のみで仕立てた男着物を、着姿の好みに合わせて仕立て直しました。今回は、直した箇所の寸法と直す前と後の比較写真を使い、その違いを紹介したいと思います。

<参考記事>
身長・ヒップサイズ・裄の採寸のみで男着物を仕立てました。 | 男着物

直した箇所

  1. 揚げ位置
  2. 褄下丈
  3. 掛け衿丈
  4. 前巾/後巾
  5. 衽巾
  6. 肩明き

優先順位が高い順に書いています。実際に着用いただいた知人の話を聞いていると「揚げ位置」が一番気になるとのこと。次いで「褄下丈」「掛衿丈」は同率と感じました。

揚げ位置について

揚げ位置は後・前ともに直す前よりも2寸下げました。
揚げ位置の理想は帯の中に隠れること。直す前は帯よりも上に出ている状態でした。直したことで帯にしっかりと隠れる位置になっています。下の比較写真を見ると、直す前(右写真)は腰紐よりも上にありますが、直した後(左写真)は腰紐と同じ位置になっています。

After
Before

褄下丈について

褄下丈も2尺→1尺8寸8分に、約2寸弱短くしました。
下に比較写真を載せました。袖丈と衿先の位置に注目して見るとその違いが分かると思います。
褄下丈の理想は、帯よりも衿先が見えていることです。直す前は帯の下線ギリギリの位置に衿先があり、心許ない着姿になっています。直した後はしっかりと帯から衿先が出て、安心できる着姿になります。

After
Before

掛け衿丈について

掛け衿丈は標準1尺3寸→1尺4寸に、1寸長くしました。
身長が高い分、掛け衿丈も長い方が見栄えが良いと感じています。

After
Before

前巾・後巾について

前巾7寸5分→8寸1分、後巾8寸8分→8寸1分にしました。
直す前の着用では脇線が体の前面へ来ていたので、後へ行くよう調整しました。結果として前巾後巾同寸になっています。下に比較写真を載せました。かなり分かりづらいのですが、脇線が7分後ろに下がっています。また、脇線を下げたことで、上半身の脇に入る斜め”たるみ”が目立たなくなりました。脇のたるみの違いは前項の比較写真で分かると思います。

After
Before

衽巾について

衽巾を4寸3分→4寸1分に直しました。
衽巾は前巾と連動し、前巾が広くなると衽巾も広くします。今回は「衽巾は広くない方が好き」という好みに合わせて直しました。下の比較写真は、揚げ位置の比較写真と同じですが、衽巾に注目して見ると全体の雰囲気の違いが分かると思います。

After
Before

肩明きについて

肩明き2寸4分→2寸3分に直しました。
下の比較写真ではほどんどその違いが分かりませんが、着用するととても大きな違いを感じるのが肩明きです。肩明きも「衿は首にピッタリと付けたい」という好みに合わせて直しました。

After
Before

まとめ

比較写真を見るだけでは違いが小さく、それほどまでに重要なことなのかと疑問を感じるところもあるかもしれません。しかし私がいつも感じていることは、他人から見た着用姿の美しさと着ている本人の着心地の良さは一致しないということです。重要なのはいつも自分が心地良く着物が着られること。着心地の良い着物にするために、着姿の好みに合わせた寸法で仕立てることが良いと思っています。

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