明治12年の 和裁 の教本。
子ども物から大人の着物まで寸法と仕立て方が書かれています。
古書の部類に入ると思いますが寸法が書かれていて、とても面白いです。
和裁 とは
和裁とは、日本の伝統的裁縫技術。洋裁と区別するために、「和」が付いている。
着物の縫うための技術である。
和裁 の基本と言えば
現代の和裁の基本と言えば、大人物の女性用浴衣 である。
しかし、明治12年の和裁の教本を見ると 子ども物 から始まっている。
これはこの本に限ったことではなく、別の古書でも始まりは 子ども物 であった。
現代の感覚から言えば、大人の着物が一通り縫えるようになった後
ようやく教えてもらえるのが 子ども物 である。
まだ着物で生活をしている人が多い時代。
まずは、子どものための衣服が縫える というのが大切だったのだろうか。
長襦袢に注目してみた
形は、衿と竪衿が繋がっている「関東衿仕立て」
半衿の部分だけ広いのは、半衿の裏に、芯の様な物を付けて
長襦袢に衿付け側だけ留めている方法でしょう。
古書の中でよく見る形状。
驚いたのは、「袖付け7寸」の表記。
現代の長襦袢の袖付けは、5寸3分~5寸7分程度。
袖付けが長いということは、帯位置が低いということ。
今とは着方が違ったと言うことを、寸法が物語っている。
袖口は、平口で丸みは付いていない。
ここは現代も変わっていません。
袖丈は、少し長めの印象。
これは お出かけ用 だったのだろうと想像できる。
まとめ
着方の変化が寸法の変化、仕立ての変化に繋がる。
どんな世の中でも、「こう着たい!」という人の要望に応えようと思うのが職人。
現代では需要がなく仕立ての技術を学ぶことすら無くなったものでも
古書の中では 当たり前の技術 として載せられている。
どの程度必需品だったのか、私には想像すらできないが
この辺りは縫える(もしくは知っている)ほうが良い と本が言っている様に感じた。
その寸法を変えると着姿がどう変化するのかを解説しています。
着物寸法の基礎を知り、着姿から理想寸法を一緒に見つけましょう。
次回、2025年3月14日東京、2025年10月24日名古屋にて
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