繰越 (くりこし)とは、衣紋を綺麗に抜くための工夫。
着る人のために、仕立てる側が出来るひと工夫。
繰越寸法を変えるだけで、衿の見た目がガラッと変わるほど大切な寸法。
ここでは、仕立てあがっている着物の繰越寸法をどのように測るのかをお伝えします。
繰越 の測り方
背中心の身丈を測る
肩山からの身丈を測る
引き算をする
②肩山からの身丈 − ①背中心の身丈
計算結果から予測をする
③の計算結果は、「繰越+衿付込み」となっているため
衿付け込みの量によって繰越寸法が変わる。
例えば、③の計算結果が1寸だった場合
繰越7分・衿付け込み3分、もしくは、繰越5分・衿付け込み5分
2つのパターンが考えられる。
衿付け込み はいくつなのか
仕立てあがっている着物から正確な「衿付け込み」の寸法を測ることは難しい。
縫い代を触った感触、地の目をたどってみた感覚、など予測することしかできない。
正確な衿付け込みの寸法を知ろうとすると、衿を解かなければいけない。
衿納めの糸を解き、衿と身頃が縫い合わさっている縫い代が見えるところまで開く。
そうすれば、正確な衿付け込みを測ることができる。
さらに言えば、正確な繰越寸法を測ることもできる。
しかし、仕立てあがっている着物を解くという行為は
ある意味リスクが高い。
着物の仕立てが出来る人、少し解いてもまた縫い直しが出来る人でなければ
糸を切って中を見る という行為はなるべく避けたいと思っているはずである。
故に、2か所の身丈を測り、その差から予測するという方法を取るのである。
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