何を基準に 裄 という寸法を決めると良いのか。裄寸法の決め方についてお伝えします。

着物寸法のひとつ「 裄 (ゆき)」
現代ではどんどん長くなってきています。
「長いほうが美しい」という美に対する価値観の変化はとても興味深いものです。

ここでは、何を基準に裄という寸法を決めると良いのか
私の基準を記しました。
着物を誂える際の参考になれば幸いです。

裄

裄 とは

背中心から袖口までの長さを裄と呼びます。
着物の裄は、「丈」ではなく「巾」を指しているのも特徴かもしれません。

参考資料
イラスト「着物の名称」ダウンロード可

裄 の算出方法

身長から計算して割り出す場合
裄=身長×0.4+2㎝

詳しくは、着物寸法【基本】裄の決め方 をご参照ください。

裄を決める時の目安

裄寸法を決める時の目安は、手首のくるぶしが隠れるかどうか

選択肢は3つ
①手首のくるぶしの上側に合わせる
②手首のくるぶしの中心に合わせる
③手首のくるぶしがすっぽり隠れる位置に合わせる

裄 の長さと着姿の印象

短めの裄の印象

前項の選択肢「①手首のくるぶしの上側に合わせる」場合
活動的な印象を与えてくれます。

着物を着て何か作業をしなければならない場合
長すぎない裄の方が好印象になるでしょう。

裄 短め
短めの裄

長めの裄の印象

前項選択し「③手首のくるぶしがすっぽり隠れる位置に合わせる」の場合
優雅な印象を与えてくれます。

長いお袖を持ち合わせているということは
「積極的に動かなければならない立場にはいません。」という隠れた意思を感じます。

例えば、レストランへ食事へ行くとき、ドレスアップしたいとき
お皿を洗わなくても良いし、洗濯物を畳むこともない。
そんなときはぜひ長い裄で優雅に、のんびりとした時間を過ごしたい物です。

裄 長め
長めの裄

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この記事を書いた人

KOTARO

現役和裁技能士が「仕立てと着姿」をテーマに、どんな寸法で、どんな仕立てをすると、どんな着姿になるのか、自分自身の身体で検証しています。