抱巾 が狭すぎる着物も難なく着られる!先日仕立てた白大島を着て思ったこと。

先日仕立てた 抱巾 がバストサイズよりも狭い着物を着用したところ、これはこれで綺麗に着られるんだと新しい発見をしました。衿合わせが浅くなることは予想通りでしたが、この衿合わせを受け入れてしまえば、とても良い寸法の着物だと言えます。

白大島

抱巾 が狭すぎるとは

抱巾の寸法は、バストサイズから割り出すが、今回は割り出したサイズよりも3分狭い寸法で仕立てた。抱巾が狭いと衿合わせは浅くなり、シャープな衿合わせが好きな方にとても良いが、バストサイズよりも狭い寸法で仕立てた場合、衿合わせが足りず着用できない、とならいないのか疑問だった。
今回は具体的に、バストサイズから割り出した抱巾寸法6寸3分に対して、6寸で仕立てた。

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着用前の予想

バストサイズよりも小さい寸法で仕立てたため、衿合わせが極端に浅くなり着用できない、となるのではないか疑問に思っていた。衿合わせが浅くなることで、広衿の衿巾をいつもより広めに折って着なければいけないのではないか?おかしなところにシワができるのではないか?胸周りに窮屈さを感じるのではないか?こんなことを想像していた。

着用後の感想

衿合わせは浅くなるが、受け入れてしまえば問題ない。
着用前に感じていた衿合わせの浅さは、許容範囲内と感じた。広衿の折巾も掛け衿先で3分の1程度折り曲げて着用している。(下写真)また、おかしなところにシワが入ることもなかった。おかしなところとは、バストトップから斜めに落ちるシワや身八つ口が浮きそこから腕が覗くことを想像していたが、とちらも気にならなかった。
結果、この寸法もアリだと感じた。

良いと感じた理由を考える

仕立ての際、剣先の縫い代を鈍角な衿合わせになる寸法で仕立てたことが良かったのだと考えている。これにより衿合わせは浅くなるが、自分好みに寄せることができたと思う。もし剣先の縫い代をシャープな衿合わせ用の寸法で仕立てたならば、着心地が良いと感じなかったかもしれない。これはまた別の機会に試してみたいと思う。

着物に合わせて衿合わせをシャープにして着用したことで着心地の良さを実感できた点だと思う。私の場合は“この着物はシャープな衿合わせにしよう”という意思を持って寸法を決めているため、着用する時もそのように衿合わせをする。自分で寸法を決めたり仕立てたりしているからこそ迷いなく着られるが、寸法や仕立てが分からなくても布を読むことで迷いなく着用できる。このテクニックについてもまた別の機会にお伝えしたい。

着用画像

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この記事を書いた人

KOTARO

現役和裁技能士が「仕立てと着姿」をテーマに、どんな寸法で、どんな仕立てをすると、どんな着姿になるのか、自分自身の身体で検証しています。