道行コートの竪衿巾について考えてみる

和装コートの中でも最も格の高いものが「道行コート」です。訪問着や留袖などに合わせるコートとなり正式な場所へ着用していくほか、生地や柄によっては同じ形で普段着の上にも着用できます。はじめの一枚として便利なコートです。今回は道行コートの「竪衿(たてえり)」について考えてみました。

竪衿とは

道行コートの場合、下写真のオレンジ色で囲った部分の布を「竪衿(たてえり)」と呼びます。今回はこの竪衿をどんな巾で仕立てることが理想なのかを考えていきます。

基本の竪衿巾

最も一般的な竪衿巾は4寸1分です。
基本の竪衿巾で仕立てたコートの着用写真が下になります。この着姿で私が気になったのは胸辺りにある斜めのシワです。肩の布が落ちるのでこのシワが現れることは必須ですが、竪衿の角から両サイドに現れているという点が気になりました。竪衿巾を変えることで解決することができました。(次項以降)

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ほんの少し広い竪衿巾

基本の竪衿巾よりも1分広い、4寸2分で仕立てたコートです。
胸辺りの斜めのシワは上の写真と比べると目立たなくなっていると思います。

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とても広い竪衿巾

基本の竪衿巾よりも4分広い、4寸5分で仕立てたコートです。
胸回りがかなりゆったりとしていて斜めのシワは脇の下に隠れています。

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まとめ

竪衿巾はコートの前巾・後巾に合わせて適当に決めてしまうことが多いのですが、好みの着心地やシルエットに合わせて変えると良いと思います。私の場合は基本の竪衿巾よりも広くしたことで着心地が良くなったと感じました。竪衿巾を広くすると胸回りのゆとりが増え、道行コートの衿は肩山から竪衿に向かって真っ直ぐ落ちるような見え方になります。ゆったりとした着心地に加え、より直線的な印象になり個人的にとても気に入っています。

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