「長襦袢の寸法を決めてから、着物の寸法を割り出す」を考える。その2

寸法を決める順番は、まず着物寸法を決め、その後、着物寸法を基に長襦袢寸法を割り出す、というのが一般的になっています。ここでは、「着物→長襦袢」が成り立つなら、「長襦袢→着物」も成り立つのではないか、を考えてみます。

「採寸から長襦袢寸法を割り出す」について

前回のブログでは、採寸から着物寸法を割り出すこと(採寸→着物)が一般的な事に対し、採寸から長襦袢寸法を割り出すこと(採寸→長襦袢)について考えました。結論は、採寸から長襦袢寸法を割り出すことは可能だとなりました。

▼前回のブログはこちら
「長襦袢の寸法を決めてから、着物の寸法を割り出す」を考える。その1

「長襦袢寸法→着物寸法」を考える

採寸から決めた長襦袢の寸法を基に、着物寸法を割り出すことについて考えます。
これまでと逆の作業の様に思えますが、これまでも“手持ちの長襦袢に合わせて着物寸法を決める”というシチュエーションは多々あり、「長襦袢→着物」という順番で寸法を決めていました。
つまり、逆の作業の様な錯覚をしているだけで、昔から双方行き来していた事。考えるまでもなく、長襦袢寸法から着物寸法を割り出すことは可能だと言えます。

何を基準にするのか

「採寸→長襦袢→着物」という順番で寸法を決めていく場合、長襦袢の寸法が基準になります。ただ、この長襦袢寸法は着物寸法を割り出すための基準になっているだけで、羽織やコートの寸法を出すときに基準にはなりません。つまり、長襦袢が基準になっているのは、着物のみ。羽織やコートの寸法は、着物を基準にする。何を基準に考えるのか、きちんと意識することが大切だと感じています。

まとめ

採寸から着物寸法を割り出すことで、着用したときに感じるズレが現れているのではないかと思っています。着物よりも内側に着用する長襦袢から寸法を決めていけば、そのズレを解消できるのではないか。よりズレの少ない着物が出来上がるのではないか。と思っています。ズレの少ない着物は、きっと採寸の時から着心地の良さを想像できるものだと思うのです。

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この記事を書いた人

KOTARO

現役和裁技能士が「仕立てと着姿」をテーマに、どんな寸法で、どんな仕立てをすると、どんな着姿になるのか、自分自身の身体で検証しています。