ウールの洋服生地で羽織を仕立てました。

ウールの洋服生地を使用して羽織を仕立てました。防寒用としての羽織が欲しいと思ったとき、絹よりも暖かく現実的で普段着として着用できる素材と言えばカシミヤかウールではないでしょうか。カシミヤは光沢が美しく軽くて暖かい印象、ウールは厚手で少し重みはありますが雨風に強く暖かい印象です。今回は紬に合う暖かい羽織にしたかったので、密度の高いウールの生地を選びました。生地に厚みがあるので、キセを無くしたり、マチを無くしたり、仕立てでも工夫してみました。防寒用として見た目にも暖かい羽織になったと思います。

仕立て寸法

  • 身丈 (肩)2尺7寸
  • 裄 1尺8寸5分
  • 袖巾 1尺
  • 肩巾 8寸5分
  • 袖丈 1尺3寸5分
  • 袖付け 7寸
  • 見八ツ口 2寸5分
  • 前巾 成り行き
  • 後巾 7寸5分
  • 肩明き 2寸3分
  • 繰越 1寸3分
  • 乳付け (肩)1尺
  • 前下がり 5分

仕立てのポイント

キセを無くした

生地に厚みがあるのでキセ無しで仕立てました。洋服のコートに使用する生地なので、キセが無くても違和感なく仕上がっていると思います。

マチ無しにした

「マチ無し羽織」と言う物がありますが、そのような物にしました。マチ無しの場合、脇にスリットを入れたりもしますが、防寒用にしたかったのでスリットは入れませんでした。またマチ無しの場合、衿を返さず仕立てることが多いですが、今回は羽織と同じように反物巾を折り込んだ衿にしました。

乳の位置を下げた

羽織紐を付ける乳の位置を通常よりも下にしました。羽織紐が帯の上線に乗っかる時があったので今回下げてみました。

袖口を狭くした

通常は着物と同寸で仕立てますが、防寒用にしたいので袖口寸法を通常より1寸小さくして仕立てました。袖口から冬の冷たい風が入るのを防げると思います。

袖付を長くした

通常着物とほどんど変わらない袖付の寸法ですが、今回は着物よりも1寸長くし、身八つ口から入る冷たい風を防ぐことができるのではと思っています。

この羽織に期待すること

厚手のウールを使用したことで、形は羽織なんだけど着用している本人も見た目にも暖かく感じるのではないかと思います。寒い冬に帯の前柄が見える羽織は見た目にも寒そうに見えるのですが、あまり外を歩かない外出のとき、商業施設の中の移動が多いときや電車移動・地下移動など、出かける場所によっては真冬でも暖かすぎるアウターが必要ない場合があると思います。そんなときに使いやすく着用できる羽織になるのではないかと期待しています。

仕立て工程

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