大切なのは、 標準寸法 の着物の着心地を知っておくこと。

自分の体型に合った 標準寸法 の着物を着たことがありますか?
反物を購入し、誂える・仕立ててもらうことが必要になりますが、ぜひ木綿着物や浴衣など、一度自分の体型に合った標準寸法で誂えてみてください。きっと着物を着る瞬間からその違いを感じるはずです。

着物姿

標準寸法 とは

着物の標準寸法は、身長・バスト・ヒップのサイズをもとに割り出す寸法です。
S、M、Lというざっくりしたサイズ分けではなく、ヒップ95cmなら前巾6寸3分・後巾7寸8分と言うように、体型に合わせ計算式から割り出した寸法を指します。インターネット上で検索するとヒップサイズやバストサイズから着物サイズを割り出すサイトがあるのでそちらで試してみると簡単に知ることができます。

標準寸法 の着物を着て何を感じれば良いのか

標準寸法の着物を着て感じることは人それぞれ違います。着心地が良いと感じる人もいれば、着心地が悪いと感じる人もいます。大切なことは標準寸法の着物を着て、自分は着心地が良いと感じるのか、着心地が悪いと感じるのか、を知ることです。

着心地が良いと感じる人は、“余分な布がなくて着心地が良くなった”、“おはしょりの量が適量になって着付けの手間がかからなくなった”、など良い印象を得られます。しかし逆に、“いつもより布の量が増え裾合わせがやりづらくなった”、“おはしょりの量が増えた”、“衿合わせが決まらない”、“裄が長い(短い)気がする”、など心地良さの逆を感じることもあります。

もう一度言いますが、標準寸法の着物を着て、自分は着心地が良いと感じるのか、着心地が悪いと感じるのか、を知ることが大切です。着心地が悪いと感じた時、どこがどう悪いのがを具体的に考え、改善できるような寸法に変更する。この変更が「着姿から割り出す寸法」になります。

標準寸法はなぜ大切なのか

着物を着たときに感じる着心地の悪さは、着物の着方と仕立て上がりの着物寸法が合っていないこと(不一致)に原因があります。着物をゆったり着たい人、ボディーコンシャスに着たい人、清楚な着方がしたい人、艶っぽく着たい人、お母さんぽく着たい人、スタイリッシュに着たい人・・・体型は同じでも仕立てる着物寸法は違います。
自分の着方に合わせて着物寸法を変えようと思った時、基準になるのが「標準寸法」です。

標準寸法よりも小さくも大きくもできます。寸法を変える時、どの方向にどれだけ寸法を変えているのか目に見える形で変えたいと思っています。感覚ではなく、数字で知っておく。そのために自分の標準寸法(基準)とその着心地を知っておくことは大切なことになります。

標準寸法の感じ方は変化する

数年着物を着ていると自分の着方が定まってきます。そしてまたさらに数年着ていると、着方が変わったりします。着方が変わることは良い変化だと思っています。つまり、着心地が悪いと感じていた標準寸法の着物が、着心地が良いと感じるように変化するのです。またその逆もあります。この変化は寸法の変更につながります。着物の寸法は一生物では無く、自分の変化とともに変更・見直しすると良いと思っています。

下の写真は標準寸法で仕立てた着物です。
この時は着心地が悪いと感じていましたが、今もう一度着てみたら着心地が良いと感じるかもしれません。

標準寸法 の着物姿

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この記事を書いた人

KOTARO

現役和裁技能士が「仕立てと着姿」をテーマに、どんな寸法で、どんな仕立てをすると、どんな着姿になるのか、自分自身の身体で検証しています。