男物と女物の身巾の違いを比較。同じヒップ寸法でも全くの別物です。

ヒップの大きさによって変わる着物の身巾ですが、今回は男物と女物の前巾・後巾の違いを比較したいと思います。例えばヒップ100cmの男物と、ヒップ100cmの女物では、前巾・後巾が全く異なります。どのくらい違いがあるのか、なぜ違いがあるのか、考えてみたいと思います。

身巾とは

身巾(みはば)とは、前巾・後巾・衽巾をまとめて表す言葉です。主に前巾と後巾を指していますが、ニュアンスとして、衽巾・合褄巾​・抱巾まで含めた言葉だと認識しています。

身巾の違い

男物の身巾と女物の身巾は、ヒップ寸法が同じでも、前巾・後巾・衽巾・合褄巾​が大きく異なります。男物は女物よりも全体で1寸6分以上広く仕立てます。この違いは、男女の体型の違い以上に、着物の着方の違いが影響していると考えています。

身巾の比較

下にヒップ寸法に対する女物と男物の身巾をまとめました。同じヒップ寸法でも、男物は女物に比べて前巾・後巾共に広くなっていることが分かると思います。具体的には、前巾は女物よりも5分広く、後巾は3分程度広くなっています。つまり、男物と女物では、裾合わせの考え方が違い、男物は着物を着用した時、前身頃をよりたくさん身体に巻きついて着用するものだ、という数字になっています。

ヒップサイズ女物男物
ヒップ 90cm前巾6寸
後巾7寸5分
前巾6寸5分
後巾7寸8分
ヒップ 95cm前巾6寸3分
後巾7寸8分
前巾6寸8分
後巾8寸
ヒップ100cm前巾6寸5分
後巾8寸
前巾7寸
後巾8寸3分

なぜ違うのか

寸法の違いは着方の違いにあると思っています。女物はおはしょりを作って着用しますが、男物は対丈で着用します。女物は上半身と下半身をおはしょりによって分断して考えることができますが、男物は分断できません。女物は上半身と下半身の背中心をズラして好みの裾合わせで着用することができますが、男物は背中心を身体の中心からズラして着用することはできません。女物は下半身の背中心が身体の中心からずれていたとしても衿合わせは自由です。一方、男物は下半身の裾合わせと衿合わせは直結していて、裾合わせが浅いと衿は縦長に開き、裾合わせが深いと衿は詰まった感じになります。つまり、男物か女物かの違いではなく、おはしょりという物を作って着用するのか、対丈で着用するのか、の違いだと考えています。

まとめ

寸法の違いは着方の違いです。着物を対丈で着用する=男物、とは言えません。例えば女性でも対丈着物が着たいというご要望があります。この先の未来、おはしょりを作って着用する=女物、の定義も崩れるかもしれません。どのように着物が着たいのか、ここがとても大切になります。

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