衿合わせの仕方によって、必要な 抱巾 の量が違う!画像を使って解説します。

着物の寸法 のひとつ、 抱巾 と衿合わせの関係について解説したいと思います。
抱巾の場所は「着物の名称」を参照していただけますと助かります。

「着物の名称」はKOTARO所有のダウンロード一覧から参照できます。
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抱巾 シャープな衿合わせ

抱巾 と衿合わせの比較

左:シャープな衿合わせ、右:詰めた衿合わせ

前身頃にある横方向の黒い線に注目し、衿から脇までの距離を、詰めた衿合わせの場合と比較する。

シャープな衿合わせの場合と比べて、詰めた衿合わせの場合、横方向の黒い線が長くなっている。
この長さの違いが、必要な 抱巾 の量の違いとなる。

着物が持つ得意な衿合わせ

どんな衿合わせで着物を着るのかが必要な抱巾の量を決めている、と前項でお伝えしたが
つまりは、「どんな抱巾で仕立ててあるのかで、その着物が得意な衿合わせが決まっている。」と言える。

衿の着崩れの原因はすべてここにある。
着物が持つ特徴と着方が合っていないのが原因。

着物に逆らわずに着物を着る、というのはここにある。

抱巾 の増やし方

着物の性質上、 抱巾 は前巾の量を超えられない。
抱巾寸法 ≦ 前巾寸法 が基本。

抱巾を増やす方法は2つ。

  1. 単純に抱巾の寸法を大きくし、それに準ずるよう前巾の寸法を調整する。
  2. 剣先の位置を上げる。

剣先の位置を上げる について

下の写真は、身頃の縫い方は変えず、剣先の位置を1寸上げた場合の写真。
剣先の位置を1寸上げると、抱巾は2分(8mm)広がった。
この2分は、気持ち程度にしかならない。
抱巾を広げるなら、キッチリ抱巾寸法を大きくするのがベストだと断言できる。

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この記事を書いた人

KOTARO

現役和裁技能士が「仕立てと着姿」をテーマに、どんな寸法で、どんな仕立てをすると、どんな着姿になるのか、自分自身の身体で検証しています。