KOTAROでは着物・長襦袢・羽織・道行コートなどの寸法にこだわっています。
寸法を決める時、私は常に着用姿をイメージしています。反物を見た時、その反物が着物になり、自分が着用した時の姿をイメージするのです。もしかすると反物から着用姿をイメージできる人は多くないかもしれません。なぜならイメージできるだけの着用経験が必要だからです。これは難しいことではありません。着用回数が増えれば、それだけイメージできるようになるものです。
今回は、反物を着物にするという和裁について「KOTAROの考え方」を書いてみました。
KOTAROの和裁と一般的な和裁の違い
KOTAROの和裁
まず着用姿をイメージします。
袖丈はいくつにするのか、衣紋はどのくらい抜くのか、衿合わせはシャープにするのか、腰紐はどこで締めるのかなど、着用姿をより具体的にイメージします。
着用姿をイメージしたら、そのイメージ通り着用できる着物にするためには、どんな寸法で仕立てれば良いのかを考えます。
つまり「着用姿→寸法」という方向で考えています。
一般的な和裁
例えば初めて和裁をしようと思ったとき、着用姿から寸法を決めることは困難だと思っています。なので始めは自分の身長やヒップサイズから割り出した標準寸法で着物を作ることが多いと思います。つまり「寸法」だけが単独で現れてくるようなイメージです。
このような場合「寸法→着物」という方向で着物の形を作ります。
そして着物の形になった物を着用し、結果、こんな着用姿になった、となります。
ここで分かるように、「寸法→着物」は繋がっていますが、「着物の形になった物」と「着用姿」は切り離されています。
寸法=着用姿 である
KOTAROの考えは、「寸法=着用姿」だと考えています。
上のイラストからも分かるように、反物〜着用まで繋がっています。これは誰もが想像できることだと思いますが、反物の前に「寸法」というものがあります。反物を着物という形にするためには、「寸法」が必ず必要になるからです。
つまり、寸法〜着用姿まで繋がっていて、着用姿の基は「寸法」だと考えています。
寸法=体型 ではない
着用姿というのは、ひとつではありません。
衣紋をどのくらい抜いて着るのか、衿合わせはシャープにするのか、上前をどのくらい被せて着るのか、腰紐はどこで締めるのか、ということだけでなく、ゆったり着物が着たい、ピッタリとボディーコンシャスに着物を着たいなど、いろいろな理想の着姿があるはずです。同じ体型でも、ゆったり着物が着たい人とボディーコンシャスに着物を着たい人では寸法が全く違うものになるのです。
つまり、「寸法=体型」ではなく、「寸法=着用姿」なのです。
寸法は楽しい!
寸法について考えることは、自分の着用姿を考えることと直結しています。
これは着物のコーディネートを考えるのが楽しいのと同じぐらい楽しいものです。
着物と帯の組み合わせを考えることと、袖丈をいくつで作るのかを考えることは同じです。
この着物にこの帯を合わせて柔らかいイメージで着よう、と考えるのなら
この着物は少し袖丈長めにしてエレガントに着よう、と考えるです。
着物には型があり、和裁にも型があります。
型があるから小さな世界で仕立てしているという物のではなく
型があるから自分の着心地の良い着物を仕立てることができ、より自分の欲しい形の着物を手に入れることができているのです。
型があるからより広い世界で自由に着物を楽しむことができていると思っています。。
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なぜこんなにも 着物の寸法 にこだわるのか。自分に合った理想寸法が必要な理由を書いてみました。
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